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急変時対応にシミュレーション(模擬訓練)を

2008/02/15

過日、地方新聞を読んでいると、『AEDは市内30か所に館山設置施設のマップ作成』という見出しに目が止まりました。これは、館山市が「市民に周知して効果的に活用してもらいたい」との思いで、設置箇所を示したマップを作成、広報したものでした。

AED自動体外式除細動器は、けいれんし血液を流すポンプ機能を失った状態(心室細動)の心臓に対して、電気ショックを与え、正常なリズムに戻すための医療機器です。平成16年7月からは医療従事者でない一般市民でも使えるようになりました。今日では空港などの交通機関でも見かけますし、ゴルフ場、スポーツジムなどのほか公共施設にも設置されています。以前、JR職員がAEDによって乗客を救助した報道もありました。

さて、皆さんはKタワーのレストランやクリニックのエレベーター付近にある白い箱にお気づきですか?(写真1)。これがAEDです。病院ですからあるのは当然ですが、このように病棟以外のパブリックエリアにもAEDが必要だといわれ、平成19年の5月に設置が全て終了しました。

  • 写真1:クリニック1階エレベーター脇

当院が一般市民向けに救急災害ボランティア養成講座を開催して12年になりますが、このプログラムにBLS(Basic Life Support)を組み入れています。BLSは急変した方に対して行われる蘇生のことです。心停止かどうかを確認し、心臓マッサージと人工呼吸を施すもので、一次救命措置と呼ばれます。講座ではAEDも実践しています。

また、職員に対する院内研修はBLSのほか、ACLS(Advanced Cardiovascular Life Support)講習会があります。これは二次救命措置と呼ばれ「器具や薬品を用いた蘇生のために実施する救命措置」です。

私たちの病院には、どこで急変が起きても最大限のヒト・モノの資源をもって救命する強い使命感とともに、駆けつける情報伝達体制があります。しかし、いざというときは緊迫しているので、シミュレーションは欠かせません(写真2)。そして、いざという時に使えるよう、白い箱の中のAEDは設置場所の職員が毎日点検しています。器械だけではなく急変時の救命措置体制にも、繰り返しブラッシュアップ(勉強し直すこと)が必要なのです。

  • 写真2:ACLS研修会の様子

医療安全管理室 セーフティマネージャー 髙橋静子

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